「でーれー」とは岡山弁で「すごい」という意です。
そういうわけで原作既読でストーリー分かっているのに、また原作に忠実に作られているのにでーれー感動してしまいました。
この感動は原作の力によるところが大きいと思います。
佐々岡鮎子(優希美青)は東京から岡山に来た転校生。
岡山弁で「ものすごい」を意味する「でーれー」という言葉が耳に残った鮎子は、クラスに溶け込もうと「でーれー」をなにかにつけて使ってみて、ついたあだ名は「でーれー佐々岡」。
そうしてクラスに溶け込んだ転校生鮎子と、クラスに1人はいた大人っぽい武美の友情と別れ、そして鮎子と武美と”ヒデホ”の関係と、30年後にの再会を、百恵ちゃんのヒットナンバーを背景に描いた映画です。
ともに夢をみながら高校時代を過ごし育んだ、鮎子と武美の友情と絆がかなり琴線に触れてしまいました。
高校時代の友達との出会いと別れ・・・そして再会。
その切なさや痛みが克明に描かれており、もう会わなくなった昔の友達のことを思い出し、その幸せを願わずにはいられない映画でした。
大人しい鮎子と鮎子が憧れる大人っぽい武美は、鮎子がこっそりと書いていた漫画を「おもしろい。続きが読みたい。」と言ってくれたことから友情がはじまります。
高校時代の鮎子と武美は優希美青と足立梨花という「あまちゃん」ペア、30年後の2人を白羽ゆりと安蘭けいという宝塚出身ペアを演じます。
なにげに豪華です♪
白羽さんは45歳って設定には若すぎるルックスでしたが、それも高校時代の関係そのままな感じで良かったです。
話の展開はベタなんだけど、ベタさがなんだか良いのです。
誰にも高校時代があり、鮎子や武美がいたからだと思います。
そして悪気はないのに、ちょっとしたボタンの掛け違いで壊れてしまう危うい高校時代の友情関係は普遍的なものだし、そういう人間関係は大人になってもあるものなんじゃないかな、と。
その時には修復不可能に思えることも、時が経てば解決してくれることもあるよなぁ、と思ったけど・・・それにしても切ない話です。
でも2人にとっては30年後でも関係修復できたことは救いだと思うし、会わなかった30年間もお互いのことは気にかけて友情は育まれていたと思いました。
そして人生において得たものや失ったもの、幸せについてかんがえさせられました。
16歳のときに分からなかった謎が、大人になってから分かることも沢山あり、そういう事も本作もポイントです。
武美がなぜ大人っぽかったのか、ということも。
鶴見橋での最後の武美(高校生)は清く美しかったです。
地味めのささやかな小品ですが、感動しました!
○山陽女子高校
学校のシーンで撮影に使われたのは取り壊しになった旧校舎だそうです。○鶴見橋
16歳の鮎子と武美@鶴見橋。制服は原田マハさんの母校である山陽女子高等学校の当時の制服だそうです。
30年後の鮎子と武美@鶴見橋。鮎子若すぎ!でも優希さんとかんじが似ているので違和感はなかったです。
この鶴見橋は、高校時代パートも現代パートでもキーとなっていて、それぞれ重要なシーンが撮影されました。
住所:岡山市北区出石町
○奉還町商店街
高校時代の通学路でいろんな店で寄り道するシーンなんかも撮影したそうです。
岡山駅前の所の商店街です。
○大手饅頭伊部屋
引用:tabelog
30年ぶりに再会した鮎子と武美がおまんじゅうを食べたところです。食べていたのは多分大手まんぢゅうです。
住所:岡山市北区京橋町8-2
○岡山城
引用:wiki
鮎子と武美の談笑シーンなど。
黒が基調となっている凛々しいお城で、岡山のシンボルマークです。
住所:岡山市北区丸の内2丁目3−1
○岡山電気軌道
引用:wiki
大人になった鮎子と武美が乗った、岡山市内を走る路面電車です。大人になればなるほど10数年会ってなかった友達と会う機会は度々あります。
みんな口を揃えて言うのは「高校(中学)時代は本当に楽しかった。」という事。
ただ、当時はみんなそんなことは分からなくて「早く学校という枠から解放されたい。」ということばかり話していたように思います。
大人になってから分かるのは、高校時代はかなり大切な時間だったということです。
誰もが一番輝いていて未熟な10代の時の不安や後悔を、大人になって浄化するような良い映画でした。
だめだ・・・また泣けてきた。
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