父ちゃん:プロデューサー
母ちゃん:フードスタイリスト
長女:監督・脚本
次女:主演
更には次女の義父母の柄本夫妻が助演・・・という、家族親戚だけで一体何本の映画が撮ることができるのか、と驚愕してしまう、奥田家ファミリー映画です。
196分の超長~い映画だけど、5編の短編エピソード構成で、日本の不幸をてんこもりなんだけど、どこかおかしくて思いもよらぬ展開になったりで、面白かった!
介護ヘルパーのサワ(安藤サクラ)は、亡くなる前におじいちゃんと寝てあげてという派遣先の家族から突拍子もない依頼を受ける。そこで思い掛けない事件に巻き込まれて職を失い、無一文となり困窮したサワは、町で見掛けたワケあり老人の押し掛けヘルパーを始めることに。---cinema today
まずここまでのツカミが素晴らしい手際で、「げっ!ゲゲッ!マジか?!」とか思っているうちに、ツカマれてしまったわけです。
そんなサワが、爺さん達の弱みを掴んで、半ば脅すように押し掛けて居つく「押し掛けヘルパー」になる・・・という犯罪スレスレのことをはじめます。
その経緯も素晴らしい手際で、説得力があるものになっています。
哀愁漂う爺さんの背中を見て、次の寄生先見つけたと言わんばかりにニンマリするサワさん(笑)このあたりはサクラさんの個性が光ります♪
でもただ寄生して、老人からお金を巻き上げる、っていう詐欺師ではないのです!
寝食の見返りに家事や介護をするの、っていうギブ&テイクで、家事も介護もどちらも凄腕です。
それだけじゃなくて、老人達の心の隙間を埋めて、死や痴呆などが近い老人たちに大切なことを気付かせ感謝される、もんのすごいヘルパーなのです。
そして一人の老人との縁が切れると即ホームレスなので、さっさと次の老人を探し、脅して懐に入り込んで・・・ということの繰り返しのさすらい生活のサワさんです。
こういう老人がいとも簡単に見つかることが、高齢化社会の闇なのかもしれないな、と思いました。
老人それぞれのいろんな事情や悲しみを描いた作品です。
老人の闇の部分を描いていて、自分の祖父母なんかを思い出してなんだか切なくなるのですが、こういう老人が当たり前にいるのが今の日本だし、考えさせられました。
最終話だけ、他の4篇とは違う、子供がメインのお話です。
これは第一編の家族の中学生くらいの子供、マコト君がメインで、児童虐待やジェンダーのお話がメインです。
異色な感じはするけど、老人たちとその子供達が作りあげた、不幸な子供だってことなのかな、と思いました。
マコト君も前途多難な感じはするけど、子供を最後にもってきたところで、どこか希望が感じられる作品になっていたように思いました。
マコト君の実父役が、サクラさんの舅である柄本明。
これがものすごいクズ親で、サワさんにボコボコにされるんだけど、「嫁が舅をボッコ凹!」とついつい思ってしまうのは、ファミリー映画の弊害か!?
とにかくサワがかっこいいです。
「百円の恋」とは違うかっこよさです。
己の介護の家事の腕のみで、女一匹狼で世間をさすらうヘルパー、というすごいヒロイン像に負けない安藤サクラ!!
サワがかっこいいのか安藤サクラがかっこいいんだか良くわからないんですけど。
人間臭くて泥臭くて・・・そういうかっこよさがある女優さんだと思いました。
あとアホの坂田師匠が、アホ芸封印して実の子供達にあまりかまってもらえない、寂しい老人を演じています。
この坂田師匠がとにかく可愛い♪
久しぶりにお元気な師匠の姿が見られて、テンション上がりました!
オール高知ロケだそうで、モモコ監督は高知に惚れ込み移住までしたんだとか!?
○高知市上下水道局---高知東警察署として登場
○土佐山田駅--サワがお金とコートを忘れてホームを奪取した駅
○ブラウン---茂(坂田師匠)のいきつけの喫茶店
○長浜種崎間県営渡船---マコトの父親が仕事に行くと乗っていた船
羽田発着⇔高知 往復航空券+ホテル チケットカフェ
★DVD ★モモコ監督著 原作小説
ブログランキング参加しています。よかったらクリックお願い致します。